キミと歌う恋の歌
「なんか言ったらどうだ?」



吐き捨てるような言い方は私の心をグサグサと切り刻む。



周りのクラスメイトたちは顔を見合わせて笑っている。



こんな言葉も視線もとっくに慣れたはずなのに、それでも胃がキリキリと痛み続けるのは何故なのだろうか。


いつになれば私は傷つくことから卒業できるのだろうか。



「もういい、座れ」




俯いているだけの私に飽きたのか、先生はそう言ってすぐにまた授業を再開した。




席に座りながら、こっそり横目で外を確認したけれど、赤いランドセルのあの子はもういなかった。






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