キミと歌う恋の歌
ふいに、上野くんが後ろを振り向いて私に向かって言った。
「アイ、今日は放課後、翔太の店、あ、前俺らがあった所な、そこに行くから」
「あ、はい」
上野くんたちと翔太さんはどういう関係なんだろう。
呼び捨てしているのを見ると、ただの客と店員の関係とは思えない。
でもあの店の常連だったなら、私はきっと今までに必ず一回は彼らの姿を目にしているだろうし、こんなに印象強い人たちを覚えていないはずがない。
気になりながらも、後ろからわざわざ話しかける勇気はなくて諦めた。
「じゃ、ソウジ、放課後校門の前な。アイのことちゃんと連れてこいよ」
先に1組の前に着き、津神くんが先に教室に入ろうとしているところに、上野くんがそんな言葉をかけた。
全く反応のない津神くんに上野くんはため息をついて、市川さんと一緒に4組の方へ歩いていってしまった。
津神くんには私と同じクラスだったってそれだけのせいで、余計な面倒ごとを増やしてしまった申し訳ない。
「あ、あの、津神く、さん」
すでに席に座って、ヘッドフォンをつけようとしていた津神くんの肩を恐る恐る叩いた。
振り向いた津神くんの表情は正直見たくなくて、目線をそらしながら声をうわずらせながら言った。
「あのいろいろ迷惑かけて本当にすみません」
そこまで何とか言い切ると、津神くんの鋭い視線を感じたけど気づかないふりをした。
津神くんは少し黙った後で、一言言った。
「別に」
本当にな、お前のせいでこっちは最悪なんだよ、
そんな風に罵られるのを予想していた私としては拍子抜けだった。
だけど、平穏に終われるのならそれで全然構わない。
「あ、その、ありがとうございます」
何て返事しようもなくて、それだけ答えてそさくさと自分の席に戻ろうとした。
「お前さ、」
それは津神くんの声で、慌てて振り向くと、頬杖をついてこっちを見てる津神くんと目があった。
「え?」
聞き返すと、津神くんは面倒臭そうに一つため息をついて何でもないとそれだけ言って、ヘッドフォンをつけて向こうを向いてしまった。
何だったんだろう。
少し気になったけど、その後すぐに先生が入ってきて授業が始まり、いつのまにか忘れていた。
「アイ、今日は放課後、翔太の店、あ、前俺らがあった所な、そこに行くから」
「あ、はい」
上野くんたちと翔太さんはどういう関係なんだろう。
呼び捨てしているのを見ると、ただの客と店員の関係とは思えない。
でもあの店の常連だったなら、私はきっと今までに必ず一回は彼らの姿を目にしているだろうし、こんなに印象強い人たちを覚えていないはずがない。
気になりながらも、後ろからわざわざ話しかける勇気はなくて諦めた。
「じゃ、ソウジ、放課後校門の前な。アイのことちゃんと連れてこいよ」
先に1組の前に着き、津神くんが先に教室に入ろうとしているところに、上野くんがそんな言葉をかけた。
全く反応のない津神くんに上野くんはため息をついて、市川さんと一緒に4組の方へ歩いていってしまった。
津神くんには私と同じクラスだったってそれだけのせいで、余計な面倒ごとを増やしてしまった申し訳ない。
「あ、あの、津神く、さん」
すでに席に座って、ヘッドフォンをつけようとしていた津神くんの肩を恐る恐る叩いた。
振り向いた津神くんの表情は正直見たくなくて、目線をそらしながら声をうわずらせながら言った。
「あのいろいろ迷惑かけて本当にすみません」
そこまで何とか言い切ると、津神くんの鋭い視線を感じたけど気づかないふりをした。
津神くんは少し黙った後で、一言言った。
「別に」
本当にな、お前のせいでこっちは最悪なんだよ、
そんな風に罵られるのを予想していた私としては拍子抜けだった。
だけど、平穏に終われるのならそれで全然構わない。
「あ、その、ありがとうございます」
何て返事しようもなくて、それだけ答えてそさくさと自分の席に戻ろうとした。
「お前さ、」
それは津神くんの声で、慌てて振り向くと、頬杖をついてこっちを見てる津神くんと目があった。
「え?」
聞き返すと、津神くんは面倒臭そうに一つため息をついて何でもないとそれだけ言って、ヘッドフォンをつけて向こうを向いてしまった。
何だったんだろう。
少し気になったけど、その後すぐに先生が入ってきて授業が始まり、いつのまにか忘れていた。