キミと歌う恋の歌
ドアが閉まってから、タカさんが振り返って聞いた。
「アイは家近いのか?」
思わず、ビクッと小さく肩を震わせてしまったけど、なんとか平静を装って答えられた。
「あ、近いです。あの、ここをまっすぐ行ったらすぐそこです」
指差して言うと、タカさんは安心したように頷いた。
「そうか、じゃあさそこのコンビニでこれコピーしてくるからちょっと待っててもらってもいいか?」
譜面らしきものをひらひらと見せながらそう聞かれた。
「もちろんです」
勢いよくそう答えてしまったけど、でも私、、
何も言えず黙りこくってしまった。
タカさんは私の言葉をそのまま受け取ったようで、すぐに向かいのコンビニに駆けていってしまった。
市川さんも自分も手伝ってくると言ってついていってしまった。
バカバカバカ。私のバカ。
焦っても何もできず眉根を曲げていると、突然隣から鋭く言葉をぶつけられた。
「お前、楽譜読めんのか?」
津神くんだ。
目に見えて怒っている。
でも当然だ。
「よ、読めません」
「はあ、、じゃあさっさと言えよ。おい!タカ!譜面4人分だけでいいぞ!」
津神くんはわかりやすい大きなため息をついて、声を上げて、まだコンビニに入っていなかったタカさんと市川さんにそう言った。
タカさんは不思議そうに首を傾げながらも頭の上で大きく丸を作ってそのままコンビニに入ってしまった。
どうしよう、また迷惑を…
「す、すみ」
「ったく、ソウジはなんでそんな喧嘩腰なんだよ。まだ緊張してんだよアイも。もっと寛大になれよ俺みたいにさあ」
謝ろうとした私の肩をぽんっと叩いて、上野くんは津神くんを睨んだ。
津神くんはまだまだ私に対するイラつきは収まりそうにもない様子だったけど、しばらく私と津神くんを睨んでからふいっと顔をそらしてしまった。
「あ、あのすみま」
「じゃあどうする?アイ、曲全然知らないのもあるだろ?あ、スマホにダウンロードするとか」
とにかく謝っておかなきゃと思ってもう一度口を開いたが、またしても遮られてしまった。
「あ、はい…。えっといや、私ガラケーで…。すみません」
「あ、そっか。いいよ謝んな。んじゃどうすっかなー」
上野くんが悩ましげに腕を組んでいるのを見ると、遮られても謝らなきゃという気分になる。
何も言えず、しばらくそうしていると、タカさんと市川さんがたくさんの紙を抱えて戻ってきた。
「サンキュー。何円だった?」
上野くんがそう言いながら、お財布を取り出すと、タカさんはそれを止めて紙を配りはじめた。
「いいって、次なんか奢ってくれ。で、なんで4人分?」
「はいはい。あ、それがさー、アイ楽譜読めないらしくてさ、まあボーカルだから俺も別にいらないと思うんだけど、とにかく曲自体覚えてもらわないことにはどうにもならないからさ」
「なるほどなー」
タカさんが納得したように何度も首を上下に動かした。
誰も解決策は見つけられなくてしばらく無言のまま黙りこくってしまった。
いたたまれない…。
そんな時、声を上げたのは市川さんだった。
「曲を覚えられるようにすればいいんでしょ?」
「あ、ああ」
「私、もう使ってないウォークマンあるからその中に曲入れて貸すよ」
「アイは家近いのか?」
思わず、ビクッと小さく肩を震わせてしまったけど、なんとか平静を装って答えられた。
「あ、近いです。あの、ここをまっすぐ行ったらすぐそこです」
指差して言うと、タカさんは安心したように頷いた。
「そうか、じゃあさそこのコンビニでこれコピーしてくるからちょっと待っててもらってもいいか?」
譜面らしきものをひらひらと見せながらそう聞かれた。
「もちろんです」
勢いよくそう答えてしまったけど、でも私、、
何も言えず黙りこくってしまった。
タカさんは私の言葉をそのまま受け取ったようで、すぐに向かいのコンビニに駆けていってしまった。
市川さんも自分も手伝ってくると言ってついていってしまった。
バカバカバカ。私のバカ。
焦っても何もできず眉根を曲げていると、突然隣から鋭く言葉をぶつけられた。
「お前、楽譜読めんのか?」
津神くんだ。
目に見えて怒っている。
でも当然だ。
「よ、読めません」
「はあ、、じゃあさっさと言えよ。おい!タカ!譜面4人分だけでいいぞ!」
津神くんはわかりやすい大きなため息をついて、声を上げて、まだコンビニに入っていなかったタカさんと市川さんにそう言った。
タカさんは不思議そうに首を傾げながらも頭の上で大きく丸を作ってそのままコンビニに入ってしまった。
どうしよう、また迷惑を…
「す、すみ」
「ったく、ソウジはなんでそんな喧嘩腰なんだよ。まだ緊張してんだよアイも。もっと寛大になれよ俺みたいにさあ」
謝ろうとした私の肩をぽんっと叩いて、上野くんは津神くんを睨んだ。
津神くんはまだまだ私に対するイラつきは収まりそうにもない様子だったけど、しばらく私と津神くんを睨んでからふいっと顔をそらしてしまった。
「あ、あのすみま」
「じゃあどうする?アイ、曲全然知らないのもあるだろ?あ、スマホにダウンロードするとか」
とにかく謝っておかなきゃと思ってもう一度口を開いたが、またしても遮られてしまった。
「あ、はい…。えっといや、私ガラケーで…。すみません」
「あ、そっか。いいよ謝んな。んじゃどうすっかなー」
上野くんが悩ましげに腕を組んでいるのを見ると、遮られても謝らなきゃという気分になる。
何も言えず、しばらくそうしていると、タカさんと市川さんがたくさんの紙を抱えて戻ってきた。
「サンキュー。何円だった?」
上野くんがそう言いながら、お財布を取り出すと、タカさんはそれを止めて紙を配りはじめた。
「いいって、次なんか奢ってくれ。で、なんで4人分?」
「はいはい。あ、それがさー、アイ楽譜読めないらしくてさ、まあボーカルだから俺も別にいらないと思うんだけど、とにかく曲自体覚えてもらわないことにはどうにもならないからさ」
「なるほどなー」
タカさんが納得したように何度も首を上下に動かした。
誰も解決策は見つけられなくてしばらく無言のまま黙りこくってしまった。
いたたまれない…。
そんな時、声を上げたのは市川さんだった。
「曲を覚えられるようにすればいいんでしょ?」
「あ、ああ」
「私、もう使ってないウォークマンあるからその中に曲入れて貸すよ」