キミと歌う恋の歌
気づいていることに気づかれたくなくて、通り過ぎていくだけの文字の羅列を必死でまだ追い続けていた。

だが、女の子たちの話題の移り変わりは早い。


「あ、ねえ!今日映画半額だって!」



「私見たいのある!行こうよ」



「行こ行こ!」



一瞬のうちに足早に教室を出て行ってしまった。




そして、いつのまにか、教室にいるのは私1人だけになっていた。





夕日が教室を寂しくオレンジに染めていた。




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