キミと歌う恋の歌
「次!メル!」
「…はーい」
やけになってきてる上野くんに、市川さんはタカさんと同じようにポケットからメモ帳のような物を取り出して置いた。
みんなでそれを覗き込んで、代表するように上野くんが読み上げた。
「ふらわーばんどぉ?お前馬鹿にしてんのか」
可愛らしい文字で小さくflower bandと書かれていた。
語尾を異常に伸ばしながら読み上げ、非情に冷たくコメントを出した上野くん。
他の2人も同じような反応だった。
「ふん、ちゃんと考えてきたんだから良いでしょ。私だって別にこんなのが選ばれるなんて思ってないもん」
市川さんはあまり気にする様子もなく、ぴっとメモ紙を取り去ってまたポケットに戻した。
「お前らまじセンスないな、びっくりするわ」
グサグサと真顔で3人を攻撃する上野くんに、耐えかねたようにタカさんが言い返した。
「じゃあお前はどうなんだよお」
「俺?俺は、THE NEW WORLD」
タカさんの質問に自信満々で胸をそらして答えた上野くん。
だけど他の3人は猛然と総攻撃を始めた。
「なんっか、ビッミョー」
「インパクトがないよな」
「ダサ。普通すぎ。売れないバンドみてえ」
「な、なんてこと言うんだよお前ら。ていうか、百歩譲ってタカとメルはまだしも考えてもねえソウジが文句言うんじゃない」
「てかそもそもレオは言葉のセンスないんだから、期待しても無駄だよ」
市川さんはため息を漏らしながら、辛辣にそう言い切った。
「酷いなお前…。じゃあ次アイ」
落ち込む上野くんがおかしくて、思わず笑っていると、急に呼ばれて驚く。
「あ、はい。あの私も正直自信ないんですけど」
「いーよいいよ。もう最悪翔太に決めてもらおうぜ」
その言葉に安心しながら、私も昨日の裏紙を取り出してそっと置いた。
「と、トリズン?」
みんなが紙を覗き込み、タカさんがたどたどしくそれを読み上げた。
「…はーい」
やけになってきてる上野くんに、市川さんはタカさんと同じようにポケットからメモ帳のような物を取り出して置いた。
みんなでそれを覗き込んで、代表するように上野くんが読み上げた。
「ふらわーばんどぉ?お前馬鹿にしてんのか」
可愛らしい文字で小さくflower bandと書かれていた。
語尾を異常に伸ばしながら読み上げ、非情に冷たくコメントを出した上野くん。
他の2人も同じような反応だった。
「ふん、ちゃんと考えてきたんだから良いでしょ。私だって別にこんなのが選ばれるなんて思ってないもん」
市川さんはあまり気にする様子もなく、ぴっとメモ紙を取り去ってまたポケットに戻した。
「お前らまじセンスないな、びっくりするわ」
グサグサと真顔で3人を攻撃する上野くんに、耐えかねたようにタカさんが言い返した。
「じゃあお前はどうなんだよお」
「俺?俺は、THE NEW WORLD」
タカさんの質問に自信満々で胸をそらして答えた上野くん。
だけど他の3人は猛然と総攻撃を始めた。
「なんっか、ビッミョー」
「インパクトがないよな」
「ダサ。普通すぎ。売れないバンドみてえ」
「な、なんてこと言うんだよお前ら。ていうか、百歩譲ってタカとメルはまだしも考えてもねえソウジが文句言うんじゃない」
「てかそもそもレオは言葉のセンスないんだから、期待しても無駄だよ」
市川さんはため息を漏らしながら、辛辣にそう言い切った。
「酷いなお前…。じゃあ次アイ」
落ち込む上野くんがおかしくて、思わず笑っていると、急に呼ばれて驚く。
「あ、はい。あの私も正直自信ないんですけど」
「いーよいいよ。もう最悪翔太に決めてもらおうぜ」
その言葉に安心しながら、私も昨日の裏紙を取り出してそっと置いた。
「と、トリズン?」
みんなが紙を覗き込み、タカさんがたどたどしくそれを読み上げた。