ごめんね、好き。
それからも毎日のように聖矢とのトークは続いた。

夜ご飯の話から悩み相談まで、何かあると真っ先に聖矢に話した。

《電話しよ》

だから、その一言が送られてきたときにはすごく驚いた。
聖矢とはスマホの画面上のつきあいで、文章としてのやり取りしかないと思っていたから。

《いつ?》

とりあえずドキドキなる胸を抑えて返信をする。

何よりも会話が沈黙になって、トークさえなくなってしまうのが怖かった。

《今》

電気を消し、ベッドに寝転がってスマホを開いたときにその1文字が浮かび上がった。

どっくん。どっくん。

今までにないくらい心臓が跳ねているのを感じた。

《いーよ》

《かけていい?》

《うん》

顔が映る訳でもないのに前髪を直して、目を何度もこすった瞬間、はっきりスマホの着信が鳴った。

1度深呼吸をして、私は『応答』というボタンを押した。
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