彼の溺愛はわかりづらい。

▼動悸がドキドキ。



「しぃ~!」

「…なに」

「助けて~!」

「課題なら手伝わないけど」



しぃ、またか。
久々に会った親友への言葉はそれですか?

っていうか課題チガウ。
課題は海堂とやったし…いや、今やってるし。



「課題じゃなくて、海堂のこと!」

「海堂がどうかした?」

「…マジ告白された」

「あ、やっと?」

「え」



やっとってなんだ。
知ってたのか、しぃは知ってたのか。

だからそんな余裕そうな反応なんですか奥さん。



「あのツンデレ拗らせ海堂が。ついに。琴に告ったんだ~」

「…しぃ、知ってたの?」

「知ってたもなにも、知らなかったのはアンタぐらいだよ」

「え、噓」

「それが残念ながら噓じゃないの」

「マジか」



ってことは。
はーちゃん先生もカナさんも、もしかしたらお兄ちゃんとか世永くんまで知ってたのかもしれないってこと!?

…噓でしょ、なんで気付かなかったんだ、私。




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