彼の溺愛はわかりづらい。


「…とりあえず、しぃに相談しても悩み解消できそうにないから、この話ここで終わりね」

「つまらん」

「別に私はいいよ」



しぃを楽しませるために存在してるわけではないし。
私は私のために生きてるんだよ、多分。



「琴、親友にそれはなくない?」

「でも、しぃも私に対してこんな感じだよ?いっつも」

「うん。だけど」



…理不尽だよ、しぃ。
どこぞの女王様だよ、しぃ。

まぁいいや。スルーしよう。



「…あ、もうこんな時間」

「これから何かあるの?」

「海堂と課題やる約束してんの」

「は!?」



…何その反応。
言っとくけど、しぃに断られたから海堂とやってるんだからね!



「…ちょ、待って。それって、今日初めて?」

「…え、毎日同じ時間にやるって決めた。昨日から」

「は!?」



…いや、だから。
なんで同じ反応なの、さっきから。



「あんたらいつの間にそんなに進展したの!?」

「進展ってなに、進展って」




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