彼の溺愛はわかりづらい。

だけど、何を隠そう、いちばん驚いているのはこの俺だ。


…俺、このままなら人に教えるとか余裕な気がしてきた。


…あ、でも。
アイツにまた会えなかったら、そんなに意味ねぇけど。



「燈ー？」

「あ？」

「…なんか、テンション下がってね？」

「あー」



悪い方向に考えるのはよくねぇから、できるだけいい方向に考えたい、けど。



「はぁ～」

「ちょ、どうしたんだよ燈！」



なかなか上手くはいかねぇわけで。



「なんでもねぇ」

「どこがだよ！」

「…あ、なんかサンキュ」

「わからん」



高橋の怒鳴りご…喝で、やっと正気に戻った…というか、落ち着いてきた俺。

高橋本人は気づいてないらしいけど、一応お礼言っとく。