彼の溺愛はわかりづらい。
Battle3

▼「好きだよ」



つまり。
…しぃは最初から全部知ってたってこと?


っていうかどうしよう。

…ものすごく海堂が愛しくなってきた。



ギュッ



「!?」

「!?」



あれ、何やってるの!?私!

なんか、海堂のこと「愛しい」って思ったら、体が勝手に……。
とか思ってる場合じゃない。離れなきゃ。



「ご、ごめ……」

「なんで離れようとすんの?嬉しかったんだけど」



私が力を緩めると、逆に力強く抱きしめてくる海堂。

ダメだ、海堂の匂いでいっぱいで、落ち着くけど落ち着かない。



「…なぁ、期待していいの?」

「へ?」



期待……とは。
いくら私でも、海堂が今言ったことがわかって、顔がさらに熱を持つ。


…期待、してよ。

なんて可愛いことを言ってみたい気もするけど、ちゃんと言った方がいい気がする。いや、言わなきゃ。




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