彼の溺愛はわかりづらい。
「夢みてぇだな…って思って、信じれなくて」
海堂も、そうなんだ。
「夢みたい」って。
もしかしたら、夢にみてたみたいな。
すごい嬉しい。にやけそう。
「…なんなら、全力で頬っぺたつねってみよっか?」
「いや、遠慮する」
「つまんないの」
「ふざけんな」
こうやってお互いに軽口を叩いちゃうあたり、一般的な恋人同士のやりとりとはかけ離れてる気がして、ちょっと落ち込んだり、私たちらしい…って思ったり。
「……しぃに言ったら、全力で面白がるんだろうな」
「…やべぇ。俺、超憂鬱なんだけど」
「同じく」
ほんと、付き合いたてほやほや☆なのに、二人揃ってしぃに怯えてるとか、色気もへったくれもない。
いや、別に色気がほしいとか、そういうわけじゃないんだけど。断じて。