彼の溺愛はわかりづらい。
「えっと、じゃあこっち!私が見たいのは!」
「わかったから。はしゃぐな。周りもちゃんと見ろ。ゲーセンのときみたく暴走は絶対すんなよ」
「…はい」
なんか、デートっていうより保護者と娘みたい。
恋人感が急に薄れてきた。…ほぼほぼ自分のせいだけど。それはわかってるけど。
…周りから見ても、ちゃんと恋人っぽく見えてるのかな…。
一気に不安になってきた。
「…そんなに強く言ったつもりはなかったんだけど。ごめん。強く言い過ぎたか?」
「う、ううん。違う。海堂の言うことはもっともだもん。気をつける」
「…なら、いいけど」
今気にしてるのは、完全に別のことで。
…本当に自信なくなってる。
いくら可愛い服を着ても、メイクしてても、髪型ちゃんとしてても、中身が伴ってなかったら意味ないじゃん。
…今度、もう一回ここ来ようかな。
女子力磨けるような本で、勉強しよう。
あと、しぃの講座も受けよう。
ちゃんと釣り合うように、変わらないと。