彼の溺愛はわかりづらい。







そして次の日。

思い立ったが吉日…という言葉もあるくらいだし、すぐに実行に移そうと思い、しぃの家を訪ねた。(アポ無しで)

ちなみに昨日の服は洗濯して返した。


私が持って来たゼリーを食べながら、しぃに昨日思ったことを話す。



「…それで?」

「え?」



めちゃめちゃ真剣な悩みなのに一蹴されるのは、さすがに可哀想すぎないか、私。



「海堂は、琴がアホで子供っぽくてバカでも好きって思ってるんでしょ?」

「…それ、悪口だよね。しぃそんな風に思ってたの?」

「そうだけど、私も海堂もそんな琴が好きなのに、変わる必要ある?」

「私が、自信持てない…」



好きになるとか嫌いになるとか、そういう問題じゃなくて。
胸を張ってその人の隣を歩けるか…っていうのが、今の問題。

今のままだと、海堂の隣を歩いてても余計に落ち込んじゃうよ。

…眩しすぎるんだよ。




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