彼の溺愛はわかりづらい。
「ふーん。じゃあ、私と海堂がめっちゃ仲良くしててもいいんだ?」
「よくない!」
しぃが本気で言ってるわけじゃないってわかってるはずなのに、ついついムキになって言い返してしまった。
あとから気づいても、もう遅い。
しぃはニヤニヤ…してない。穏やかな表情を浮かべていた。
「…それが答えだよ、琴」
「答えって……」
「琴がヤキモチやくなんて…!お姉さん感動…!カナにも報告しないと~!」
「あ、カナさん…。最近連絡取ってないな…ま、いっか」
しぃから名前を聞いて、カナさんのことを思い出した。
最近、それどころじゃなかったからなぁ…。
でも、最近連絡取ってないとはいえ、一カ月も経ってないからそんなでもないか。
あと、しぃ、「お姉さん」って、いつから君は私の姉になった。
「…。琴、おしゃれは勇気だよ」
「え、なに急に」
「琴は元々センスはいいから!あとは、「こんな服は私に似合わない」なんて思わないで、とにかく着てみろ!」
「あ、えっと…おしゃれに関するアドバイス?」
「そうだけど?」