彼の溺愛はわかりづらい。
き、聞こえてたんだ、やっぱりそこも。
恥ずかしさで消えたい……そもそも電話だから、海堂に私の姿は見えてないけど。
『今すぐ迎えに行きたい。今すぐ抱きしめたい』
「…っ」
『……そういえばこれ、志波の携帯なんだよな。切るわ』
海堂は、とんでもない爆弾を投下して、あっさり電話を切った。
だけど、私はまだまだ落ち着かなくて。
ニヤニヤして楽しそうなしぃも、全く目に入らなかった。
きっと今、私の顔はものすごく赤くなっていて。
温度だって、沸騰しそうなくらい熱いんだと思う。
「なーに言われたの」
「な、内緒…」
「ふーん?ま、いいけどね。琴の顔の赤さが大体物語ってるし」
「う…やっぱり?」
…想像してた通り、私は顔に出るらしい。
これじゃあ、海堂に何か言われるたびに、バレバレじゃんか。…困る。
それに、私ばっかりドキドキしてるみたいで、なんかズルい。
…私も海堂をドキドキさせたい、けど……それはそれで、自分の思考が恥ずかしい。