彼の溺愛はわかりづらい。







保健室に着くとそこには、我らのはーちゃん先生がいた。
ちなみにはーちゃん先生というのは、イケメン・若い・面白い…とまぁ、モテ要素を兼ね備えた先生である。


例に漏れず、私も結構好きだ。

…見た目も好きっちゃ好きだけど…



「なんだお前ら、サボりか?」

「…そうっちゃそうだけど、違うっちゃ違います」

「まぁいいや。ベッド空いてるからとりあえず寝とけ」



…こういうアバウトなとこ、めっちゃ好き。言わずもがな先生として。



「でも先生、そこのコイツ、本当に具合悪いっぽかったんですけど。さっき顔見たら真っ赤だったし」

「ちょ、お前、それは…言わなくていいだろ」



焦ったように隣の奴は言う。

いや、言った方がいいに決まってんだろ。
病人の病状を知るのは大事なんだぞアホ。



「へぇ~、海堂(かいどう)、ふ~ん、なるほどねぇ~」

「こういう時だけ〝海堂〟呼びするんじゃねぇよ。テメェも海堂だろーが」

「まぁまぁ、カリカリしないの、燈(とう)」

「るせー羽澄(はすみ)」



……最近知ったことだけど、二人は従兄弟らしい。

そういえば顔も似てる。


つまり、私の宿敵・海堂燈は、はーちゃん先生に似て、かなーり整ってる。それはそれはムカつくほどに。



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