彼の溺愛はわかりづらい。
「なに、海堂アイツ、「好きな子いる」なんて言ったの?」
「うん。誰かまでは知らないけど」
「ぶっ、あっはは!ダメだもー、おかしー」
「ちょっとしぃ、大丈夫?」
さっきからしぃが大爆笑してる理由が、全くもってわかんないんだけど。
なんか変なものでも食ったのか、しぃ。怪しげな通販サイトで売ってた笑い薬とか。もしそうだとしたら、もう二度と使わない方がいいよ、そのサイト。
「で…えーっと?カナさんについては?それから連絡取ってんの?」
「あー、うん。よく自撮り写真送られてくる」
あれから一週間。
なぜか、カナさんとは思いのほか仲良くなってる…気がする。
なぜか、頻繫に連絡を取り合ってたり…。
「会ったりは?」
「してない」
…けど、何回か「会おう」とは言われてる。
結局まだ、お互いの予定が全然合わないからって一回も会えてはないんだけど。
「ねーねー、じゃあ、今から会おうって連絡してみてよ。私、会ってみたいわ、カナさんに」
「…え、マジ?」
「おー、マジマジ。私はいつだって本気(マジ)だよー」
「それは噓でしょ」
なんて言いつつも、早速カナさんに電話をかけてみる。