彼の溺愛はわかりづらい。
「海堂、私、巻き込まれるのだけは、アイスどれだけ奢ってもらっても嫌だからね」
…マジか。全然気づかれてねぇ。
俺は、わかっていたことだけど、やっぱり少し落胆して溜息をついた。
…そしてギャル、笑ってんじゃねぇ。
「…頑張れよ、少年」
「…はい」
ギャルに憐れみの眼差しを向けられ、俺は短く静かに返事をした。
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「で、どーすんの?このまま真っ直ぐ行く?それとも、飯食った後だし、どっかで時間潰すか?」
あれからギャルは瞬く間に帰り、いつの間にやら注文していたものは運ばれてきて食べ終わって、今、会計を済ませて店を出たところ。
「…んー。お腹にはまだ入るような気がするけど、ゲーセン寄りたい」
「了解」
ゲーセンなんてあんまり寄らないし、正直音が大きいから苦手だけど、渋川が行きたいんならついて行く。
…渋川がどんなことに興味あるのか、俺も気になるし。