彼の溺愛はわかりづらい。
Battle2

▼海堂と世永くん。



世永くんは、私の初恋の相手だ。

8個上のお兄ちゃんの友達で、今思えば憧れに近かったのかもしれないけど、確かにあのとき、世永くんのこと好きだったなぁ。


そんな世永くんが今。



「久しぶり、琴」



…家にいます。









「お兄ちゃん、世永くん泊まるとか聞いてないんだけど」

「あ、言い忘れた。ごめんな、琴」

「…別にいいけど」



意外とうっかりしているお兄ちゃんは、こんなミスはしょっちゅうだ。

世永くんが「忘れた荷物取りに行ってくる~」なんて言って、一旦家に帰ってる間に、一応お兄ちゃんに注意しておく。

こんなミスもしょっちゅうするお兄ちゃん(ただし家族の前だけ)だけど、社会人としてもやっていけてるし、意外と腹黒だし。面白いお兄ちゃんだと思う。私は大好き。



「…琴は昔、世永のこと好きだったんだよな…?その…今も…?」

「いや、まさか」



自慢だけど、うちの兄妹は結構仲良しだ。
二人で恋バナとかする。全然する。むしろウェルカム。

…それは昔からだから、当然私の初恋も、お兄ちゃんは知っている。




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