彼の溺愛はわかりづらい。
「…意外と、女子っぽい部屋なんだな」
「余計なお世話だコノヤロー」
何を言うかと思ったらそんなことかよ!
…わざわざ海堂に言われる前に、しぃにも言われたけどね!
「だから、ごめんって。…その…似合わなくも、ねぇんじゃねぇの?」
「え、」
…ちょっと待って、今コイツ何て言った?
似合わなくもないんじゃないの?…え?
褒められた?褒められたのかこれは??よくわからん。
「だぁーっ!ダメだ、課題やろう」
「…あー、うん。飲み物持ってくる。麦茶でいい?」
「あぁ」
急に叫び出した海堂。…人ん家でヤメロ。
そんな海堂をちょっと「ヤバい奴だな」って思いながら、勉強するから疲れるだろうと予想して、ちょっとしたお茶菓子とあとお茶を持って来ようかなって思ったから、私はさっき入ってきたドアの方に戻った。
ドアから出る間際、チラッと海堂の方を見たら、早速、少ない荷物の中から、課題が書かれたプリントの束を出していた。