99%アンドロイド
「最近野菜が多いんじゃないのか?A」
「それは「ジゴウジトク」デス、ハカセ」
「お、とうとう「自業自得」まで使いこなせるようになったか、A!やっぱりお前は習得が早いなぁー」
ハカセは嬉しそうにサンドイッチから落ちたレタスを食べた。
何を褒められたのかはよく分からないけど、ハカセが野菜を食べてくれるのなら一安心といったところだ。
ハカセの足元では、愛猫のトラがハカセのこぼしたパンくずをペロペロと舐めている。
ボクはトラの健康管理もハカセにまかされているのだが、トラは少々太り気味で、近頃は朝食抜きで体重を調整している。
とは言っても見ての通り、トラは食べ物に目がない。
だからこぼれたものくらいは多めに見るよう、ボクはハカセに言われている。
以前、落ちたパンくずを食べさせないためにボクがトラを押さえつけていたら、左手のヒトサシユビとナカユビを食いちぎられたことがあった。
「ごめんな、A」
そう言いながらハカセはボクの手を修理してくれたが、もし押さえつけたのがボクではなくハカセだったら、おそらく大惨事になっていたはずだ。
ニンゲンのカラダというのは、完全に元の形に修復することができないらしい。
それを考えたら、むしろ食いちぎられたのがボクのユビでよかった。