99%アンドロイド
ボクのバッテリーはニンゲンでいう右側のケンコウコツの裏側にある。
ウデやアシやフクブの軽い故障は自分で修理しているが、ケンコウコツとなるとなかなか難しい。
だからバッテリーの交換はいつもハカセにやってもらっているのだ。
ハカセがボクのケンコウコツを軽く押すと、右側だけがパカリと開いた。
細やかな機械音が修理室中に響き渡る。
「一度システムをオフにするぞ、A」
「ハイ」
バッテリー交換となると、やはりどうしてもボクはオフ状態にならないといけない。
ボクは何万もの部品を組み合わせて作られているため、他の部品を失くしたり、傷つけたりするリスクは極力避けたいのだ。
ボクは毎日オフになっているから、電源が切られることに「キョウフ」を感じない。
そもそもアンドロイドにはカンジョウがないから、ボクには「キョウフ」が分からない。
「落とすぞ」
「ハイ」
ハカセはボクのニンゲンでいうウナジあたりのふたを開けると、中のボタンを長押しし、ボクの電源を切った。
ボクはそのまま、眠りに落ちていった。