99%アンドロイド
___でも、これら二つのデータにはある共通点がある。
それは、ボクがオフモードになっている時にやってくるということだ。
ニンゲンが眠っている時に夢を見るように、ボクもオフモードになっている時にあの夢を見、そして声を聞く。
それがどういうことなのかは解析しようにもできない。
なぜなら、ボクがオフモードになっている時に起きている出来事は、決して数字や文字で表すことができないから。
そういうものはアンドロイドにとって一番難しい上に、どうしても理解しがたい。
___ハカセなら何か分かるはず。
ボクは自分のカラダの解析が終わるたびにその解決策を考える。
ボクの知能で理解できないことがあれば、いつもハカセに聞いてきたから。
けれど___
『決して博士に言ってはいけないよ』
あの声がボクにそう言ってくる。
『言ったら大変なことになる』とも。
だからボクはいまだに、ハカセに夢のことや声のことを相談できていない。
___あの声はボクをどうしたいのだろうか。
一体、何を求めているのだろうか。
アンドロイドのボクには、理解することができない。
(ホ・ン・ト・ウ・ニ?)
あの時の少女の映像が蘇る___
『ボクは……』
ボクは、
ダレなんだ?