99%アンドロイド
『……分かった』
僕が頷くと、少女はたちまち嬉しそうな顔をした。
『ありがとう』
そう言って手を差し伸べてきた。
シルクのようにきめ細かく、真っ白な手。
『一緒に行きましょう』
少女のその一言がとても心強かった。
もしかすると、自分は一人ではないのかもしれない。
僕は重くてなかなか動かない自分の右腕を持ち上げ、少女の手を握ろうとした。
あともう少しで指先が触れる___
と、その時だった。
急に空が怒り狂ったかのように荒れ始めた。
一つの方向へと一直線に向かっていた雲はぐるぐると渦を巻き始め、白い電気が龍のように空を走り始めた。
風も渦を巻き始め、あたり数カ所に竜巻が出現した。
黄金色の麦が空中を舞い、あんなに綺麗だった光景が、一瞬の間に悲惨なものとなってしまった。
『……っ!!』
僕と少女は目を瞑り、体が吹き飛ばされないよう地面にしゃがみこんだ。
『どうなっているんだ!!』
必死にそう叫ぶも、風の威力が強く少女に声が届かない。
少女の苦しそうな顔が目に入る。
どうにかしないと。そう思って、僕は重たい腕をめいいっぱい少女の方に伸ばした。
(つ・か・ま・れ)
口でそう合図し、腕を伸ばし続けた。