99%アンドロイド
「___ユメヲミルンデス!!!」
いつの間にか、ボクは叫んでいた。
ニンゲンのように、声を張り上げて。
すると、あれだけボイスシステムを邪魔していたものが、すうっと消えていった。
カラダのあちこちが熱を帯びていて、ボクのニンゲンでいう「リョウテノツメ」の間からは白い湯気が細く立ち昇っていた。
本当にボクは壊れる寸前だったのだ。
「___今、何と言った」
ボクの背後に立っているハカセが、ぽつりとそう言った。
その声は、いつものハカセの声量の52%と極めて小さかった。
「ハカセ」
ボクはハカセの方を見た。
ハカセは口をぽっかりと開けて、ボクを見下ろしている。
「ボクはマイバン、夢ヲミルのデス、ハカセ。
広いムギバタケと、オレンジ色ノ空がヒロガル大地デ、ボクはイツモ「少女」とデアイマス。
ボクはナゼカ、自分をニンゲンだと思ッテイル。
だから、嵐ガキテ自分の皮膚が剥ガレテイキ、その下ノ機械をミルト、トテツモナイショックをウケルノデス。
風にフカレテ、「少女」ハドコカニ消えてシマウ。
大地がワレ、ボクは暗闇へとオチテイク。
夢はイツモ、ココで終わりマス」
ハカセはただただ黙っていた。
口をぽかんと開けたままで。