99%アンドロイド
___ピ。
突然、ボクのウナジにある電源ボタンが押される音が聞こえた。
「___エ?」
しかし、ボクのシステムは一向に落ちない。
「___よかった、昨日のうちに”仕込んでおいて”」
「……?」
次の瞬間、ボクの両側のケンコウコツが開き、服を突き破った。
翼のように広がったその中からは大きな二つのエンジンがゆっくりと顔を出し、急に30秒のカウントダウンを始めた。
『29、28、27___』
「___ハカセ!?」
こんな機能が備わっていたことに、ボクはどう対応すればいいか分からなくなっていた。
今度はボクの人工知能が壊れそうだ。
喋る間もなくハカセはボクを窓際に連れてくると、勢いよくカーテンを開け、リョウウデで窓をこじ開けた。
外気が一気に部屋の中に入ってくる。
夢の中以外で外の世界を見るのは、実はこれが初めてだった。
「___トラ!!」
ハカセが叫ぶと、さっきまで机の下に隠れていたトラがこちらに走ってきた。
ソファの背もたれを伝い、勢いよくハカセの肩にジャンプする。
ハカセはボクの服をめくり上げると、ニンゲンでいう「ヘソ」に自分の親指を当て指紋認証を行った。
するとボクのフクブがパカっと開き、どっしりとしたトラがその中に飛び込んでいった。