99%アンドロイド

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___ボクが研究室の窓際から飛び立ってから、あと8分で12時間が経過する。


ボクのカラダは既に、エンジンの勢いがなくてもふわふわと浮くところまで来ていた。


ここは、どこだろう……。


辺りは真っ暗で、砂の欠片のようなものが延々と広がる暗闇の中に無数に散らばっている。


ボクはこの空間の大きさを測定しようとしたが、「∞」という文字だけが表示され、その後はすぐにエラーになってしまった。


唯一分かったことといえば、ここにはニンゲンが必要とする「酸素」が存在せず、地球よりも遥かに温度が低いということだけだ。


トラも「酸素」を必要とする生き物だから、少し心配だ。


ボクのニンゲンで言う「ハラ」は、果たしてトラをちゃんと守ってくれているのだろうか。


いくらボクのことを嫌っているトラでも、死んでほしくはなかった。



『……アッ』


流れに身を任せていると、青白く光る巨大な球体が視界に入ってきた。


自らが発光しているのかと思いきや、光の正体を分析すると、この光は遠く離れた「タイヨウ」によるものだった。


青白い球体は、自ら発光している「タイヨウ」に照らされているだけだったのだ。

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