Flower~シアワセノカタチ。
「手出して」
そう言って握った手を私に差し出すと
奏太の手から落ちてきたものをしっかり掴む
「これ、咲が寂しくならないお守り」
「……」
掌をゆっくり開く
そこには制服のボタンが1つ
「……え?まさかいらない?!」
嬉しくて言葉にできなかっただけなのに
慌てた奏太がなんだか可笑しくて笑えてくる
「咲の為に取っといたんだけど……第2ボタン」
「……ありがとう」
あの制服を見た時から諦めていたその丸い感触を
しっかりと両手に懐いた