Flower~シアワセノカタチ。


「手出して」


そう言って握った手を私に差し出すと
奏太の手から落ちてきたものをしっかり掴む



「これ、咲が寂しくならないお守り」


「……」


掌をゆっくり開く
そこには制服のボタンが1つ



「……え?まさかいらない?!」


嬉しくて言葉にできなかっただけなのに
慌てた奏太がなんだか可笑しくて笑えてくる


「咲の為に取っといたんだけど……第2ボタン」


「……ありがとう」


あの制服を見た時から諦めていたその丸い感触を
しっかりと両手に懐いた




< 8 / 14 >

この作品をシェア

pagetop