秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

庭師さんらとミモザさんのやり取りにヒヤヒヤしたが、庭師さんらが笑ってるあたり大丈夫なのかなと思った。

私の不安を読み取ったのか、ファビオが横で「いつもの軽口なやり取りだろぅ?心配すんなぁ」と、私に呟く。

でも、押しかけたのは私で。庭師さんには申し訳ない。

結局、二階の広間を借りて、ミモザさんに給仕をしてもらうこととなった。

賑やかな一階とは違って、二階の広間には誰もいない。給仕された食事を黙々と食べる私と、傍で見守ってくれているミモザさん。何故か?私たちに着いてきたファビオの三人しかいなかった。



「ご馳走さまでした。ありがとうございます、ミモザさん」

黙々と食事を食べ終えて、ミモザさんにお礼を伝える。

「というか、ラヴィ様。そのメイド服姿はどうしたのですか。着ていたドレスはどこに?」

「あ……」

返事に困って言葉を詰まらせる。

どうしようか視線を泳がせた、ふと視線の先には、ファビオが窓際にいて、窓の外を覗いている姿が目に入った。

「ファビオ、何見てるの?」

近付いてきた私に、ファビオは「にひひーん」と笑う。

「ここから、夜会会場が見えるでー?何やってるか丸見えー!」
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