秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

全てが一つに繋がってしまった。

結論づけるには早計なのかもしれない。

でも、そうとしか考えられない……!



お屋敷の前に到着し、息つく間もなく中に駆け込んだ。目指すは、夜会の会場であるホール。

一刻も早く、アルフォード様のもとへと駆け付けねばならない。

ローズマリー令嬢から、引き離さなければならない……!



焦る気持ちそのまま階段を駆け上がる。夜会会場のバルコニーがある方向へ進もうとすると、背後から引き止める声がした。



「ラヴィ!もうバルコニーにはいないぞ!こっちだ!」

「ファビオ?」



振り返ると、ファビオが反対の方向を指差して手招きしている。

変わらずミモザさんも一緒にいて、若干驚いた。



「俺たちが外に出た時に、バルコニーから移動してたぜ?公子様、あっちに行ったぞ!」

「まだ私に着いてきてたの?何で……」

「ラヴィ様を一人にするわけにはいきませんから」



何故二人がここまで私の後を追ってきたのかは不明だが、今はそんなことを考えている場合ではない。

ファビオの指差した方向へと転換して、再び駆け出す。

< 146 / 399 >

この作品をシェア

pagetop