秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
全てが一つに繋がってしまった。
結論づけるには早計なのかもしれない。
でも、そうとしか考えられない……!
お屋敷の前に到着し、息つく間もなく中に駆け込んだ。目指すは、夜会の会場であるホール。
一刻も早く、アルフォード様のもとへと駆け付けねばならない。
ローズマリー令嬢から、引き離さなければならない……!
焦る気持ちそのまま階段を駆け上がる。夜会会場のバルコニーがある方向へ進もうとすると、背後から引き止める声がした。
「ラヴィ!もうバルコニーにはいないぞ!こっちだ!」
「ファビオ?」
振り返ると、ファビオが反対の方向を指差して手招きしている。
変わらずミモザさんも一緒にいて、若干驚いた。
「俺たちが外に出た時に、バルコニーから移動してたぜ?公子様、あっちに行ったぞ!」
「まだ私に着いてきてたの?何で……」
「ラヴィ様を一人にするわけにはいきませんから」
何故二人がここまで私の後を追ってきたのかは不明だが、今はそんなことを考えている場合ではない。
ファビオの指差した方向へと転換して、再び駆け出す。