秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
第八章 対峙
○○○
「メイドさん、どうしたの?何か用かしら?」
鈴を転がしたような高く可愛らしい声で、首をこてんと傾げながら、突然目の前に現れたメイド服姿の私に訊ねる。
あの時以来、間近で見るローズマリー令嬢。ピンクブロンドの髪を靡かせ、目も大きく愛らしい表情は、やはり誰もが目を奪われる美女だ。
そんな圧倒的な存在を目の前に、私は緊張を飲み込んでから口を開いた。
「……あの、アル……公子様に早急にお伺いしたいことがございまして」
今の私の身なりはメイド。それを最大限に活用して、主に要件があることを装ってアルフォード様を連れていこうと試みた。
咄嗟に思い付いたことなので、頭の中が落ち着かずにいるが。
ローズマリー令嬢は何の疑いもないようだった。
「あら、そうなの?……アル?メイドさんが貴方に用事があるんですって?」
そう言いながら、アルフォード様の顔を下から覗き込む。目が合うなり、二人は顔を近づけて互いに微笑み合っていた。
熱を孕んだ視線は……本当に、愛し合っている恋人のよう。
「メイドさん、どうしたの?何か用かしら?」
鈴を転がしたような高く可愛らしい声で、首をこてんと傾げながら、突然目の前に現れたメイド服姿の私に訊ねる。
あの時以来、間近で見るローズマリー令嬢。ピンクブロンドの髪を靡かせ、目も大きく愛らしい表情は、やはり誰もが目を奪われる美女だ。
そんな圧倒的な存在を目の前に、私は緊張を飲み込んでから口を開いた。
「……あの、アル……公子様に早急にお伺いしたいことがございまして」
今の私の身なりはメイド。それを最大限に活用して、主に要件があることを装ってアルフォード様を連れていこうと試みた。
咄嗟に思い付いたことなので、頭の中が落ち着かずにいるが。
ローズマリー令嬢は何の疑いもないようだった。
「あら、そうなの?……アル?メイドさんが貴方に用事があるんですって?」
そう言いながら、アルフォード様の顔を下から覗き込む。目が合うなり、二人は顔を近づけて互いに微笑み合っていた。
熱を孕んだ視線は……本当に、愛し合っている恋人のよう。