秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
それから、私の王都行きについて、公爵様と話を詰めていく。
出発は少しでも早い方が良いと、準備が終わり次第、即出立することとなった。
公爵様も、夜会の後始末とアルフォード様の安否が確認できたら、私たちの後を追って王都へ向かうそうだ。
王都への道中は、急いでも馬車で数日。ファビオの案内で、他にお供をつけてくれることにもなった。
話を終え、執務室を出て公爵様と共に向かう。
行き先は、先程心に思い浮かべた、想い慕う人のところ。
心配なのはもちろん、王都に向かうにあたってしばらく会えなくなると思ったら、いてもたってもいられなくなったのだ。
先程の件で、アルフォード様は護衛の方々により私室に運ばれ、そこで医師の診察を受けているという。
「アルフォード様……!」
アルフォード様は先程と変わらずベッドの上に寝かされていて、依然目を開けず、お休みになられているようだった。
傍にはミモザさんが付き添っていた。医師の診察は既に終えており、今は疲労と解呪の反動で寝ているだけで、身体的には問題ないとのことだ。