秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

誕生日当日、公爵領に恐らく私はいないと思われます。

せっかく私のために考えてくれたのに……誕生日パーティが出来なくてすみません。

……と、心の中で問いかけ、謝罪する。




アルフォード様もこういう状態だし、それは仕方ないとは思う。

何故こんなことになってしまったのか?ローズマリー令嬢が現れなければ?そうしたら、私たちは何事もなく平和な毎日を過ごせていたのだろうか?

……いや、それは違う。

現実に起こったことを見ないふりして過ごす日々、それは本当の平和ではない。

向き合わなければいけないことには、真っ正面から向き合い、励むべきだ。

これこそ、精霊王様の思し召しだったのかもしれない。

……もう、逃げることはしない。




でも、アルフォード様?

せっかくなので、図々しいかもしれませんが、もし許されるのならば……この公爵領に帰ってこれたら、当日じゃなかろうがお祝いして頂けませんか?

アルフォード様が私のために考えてくれたパーティ、絶対やってほしいです。

……本当、図々しすぎてすみません。

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