秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない


とは、言いながらも。

早速大事な話をしようと、王太子様が提案したため、全員で邸内のサロンに移動した。

そこで、紅茶とおやつが出てきてしまった。

だが、いつものように早速気軽に食べられるはずがない。

だって、目の前には……王太子殿下ご夫妻に、ガーネット公爵様が座っているのだから。

隣にはマーガレット姐さまが座っていて、その後ろにはミモザさんとファビオが控えている。ランクルーザー様は、王太子殿下ご夫妻の後ろにいた。



まずは、王太子様が私に頭を下げた。



「ラヴィ、今回のことは私の愚かな行動を救ってくれたにも関わらず、説明もなしに突然王都から追い出すなど、こちらの勝手に振り回して本当に済まなかった」

「お、王太子殿下!頭をお上げ下さい!そんな、頭を下げないで下さい!」

天下の王太子殿下に突然頭を下げられれば、そりゃ私も狼狽えてしまう。

突然の出迎えも含めて、心臓に悪いことばかりだ。



「ラヴィ、貴女に何の説明も無しに、ルビネスタに行かせてしまって、本当に悪かったわ、ごめんなさい」

「アゼリア様までっ!わ、私は大丈夫です!ルビネスタ公爵様に事情も聞いてますし!」

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