秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

二人の会話の間に、アゼリア様が顔を真っ赤にして入り込む。

すらいでぃんぐ?それはいったい何だろうか。

アゼリア様の様子からして、とっても恥ずかしいことなのだろうか?

そして、それはまたファビオの知る人ぞ知る言葉だろうか。後で教えてもらいたい。

私の隣に躍り出てきて、会話に入ってきたファビオを一瞥する。

王太子様に軽口を叩けるファビオ、本当に何者。王太子様の側近と同等の存在にあるというが、すらいでぃんぐどげざというものを教える立場、どんな存在か。



……そして、横道に逸れた話は本題に戻って進む。

神殿での毒物混入騒ぎの話となった。

何故『私たち聖女見習いの6人が狙われたのか』という、公爵様から結果を聞いていない話だ。



「王太子様の【魅了】が解かれた際に、居合わせた6人、だからですか……?」

「推測ではあるが、確信に近いものだと私は思ってるよ。そうでないと、君たち6人が揃って綺麗に狙われる理由がない。『聖女見習いの誰かが、王太子の魅了を解いた。しかし、誰がどうやって魅了を解いたのかわからない』。相手はそう考えて、君らをまとめて毒物に侵して処理しようと考えた。と、我々は推測した」
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