秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
第十二章 秘匿されし聖女とは
○○○
ーー御世界に、異世界の【邪悪なる気】が蔓延る時。
【秘匿されし聖女】が、牙を向ける。
聖女らの祈りも届かぬぐらい、邪悪なる気が世界を恐慌に陥れるその時。
秘匿されし聖女が、己の力を以って邪悪を滅ぼす。
……【浄化】の聖女よ。
汝の指が、身体が、聖力が、邪悪なる気を天に昇華させる。
御国に邪悪なる気が蔓延る今、その時。
汝の力を以て、邪悪を排除せよ。
【浄化】の聖女に、祝福を。
ーー邪に、牙を剥け。
「……【浄化】の聖女」
頭の中に残ったひとつの言葉を、ポツリと口にする。
同時に、ハッと我に返って目を開けた。
開けた視界、目の前には神託の水晶と泉がある。距離感といい、光に侵食される前と変わらない位置にいるようだ。
「神託を、確と受け取りましたか」
「大聖女様、えぇと……」
横には変わらず大聖女様が傍にいた。頭の中は、寝起きのようにボーッとしていて考えがまとまらず、しばらく言葉が出てこなかった。
「……私を、【浄化】の聖女と」
「ええ、そのようですね」
「……」
ーー御世界に、異世界の【邪悪なる気】が蔓延る時。
【秘匿されし聖女】が、牙を向ける。
聖女らの祈りも届かぬぐらい、邪悪なる気が世界を恐慌に陥れるその時。
秘匿されし聖女が、己の力を以って邪悪を滅ぼす。
……【浄化】の聖女よ。
汝の指が、身体が、聖力が、邪悪なる気を天に昇華させる。
御国に邪悪なる気が蔓延る今、その時。
汝の力を以て、邪悪を排除せよ。
【浄化】の聖女に、祝福を。
ーー邪に、牙を剥け。
「……【浄化】の聖女」
頭の中に残ったひとつの言葉を、ポツリと口にする。
同時に、ハッと我に返って目を開けた。
開けた視界、目の前には神託の水晶と泉がある。距離感といい、光に侵食される前と変わらない位置にいるようだ。
「神託を、確と受け取りましたか」
「大聖女様、えぇと……」
横には変わらず大聖女様が傍にいた。頭の中は、寝起きのようにボーッとしていて考えがまとまらず、しばらく言葉が出てこなかった。
「……私を、【浄化】の聖女と」
「ええ、そのようですね」
「……」