秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
この期に及んで、とぼけているのだろうか。
膨大な聖力をお持ちの大聖女様が、それを認定したのだ。もう言い逃れも出来ないはず。
なのに、それでさえも『何それ』で済ませるつもりなの?!
私と同じことを思ったのだろうけど、大聖女様は感情的にはならず、粛々と質問を始める。
「『何それ』とはどういうことでしょうか。ここは、聖力に護られた神殿。その神殿の強固な護りをも建物ごと破壊できるなど、高位魔獣や、禁忌契約の邪気以外には考えられないのですが。……貴女の纏わせている禍々しい波動が何よりの証拠です」
「……え?この力?魔獣?邪気?……はぁ?何バカなこと言ってんのよ!この大ボス!」
「へ……」
「私が纏ってるのは【女神】の力!女神・アフロディーテから授かった尊い力なのよ!」
「女神・アフロディーテ……!」
……って?
今度は、私が開いた口を塞げない。
あ、あふろ?それ……何でしょうか?
そんな女神の名前、聞いたこともありません。
神殿での座学では、イグニスという名前の女神は精霊王様の聖力を分け与えた象徴的な存在として言い伝えられている。