秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
なので、そんなおフロだかあフロだかいう女神は存在しない。この国の誰もがあふろの女神なんて知らないと思うけれど。
自身の知識に不安になって大聖女様の顔をチラリと伺う。
おおぼす、と罵られた大聖女様は頭痛を堪えるような表情だった。私と目が合うと首を横にふるふると振っていた。
やはり。あふろだかお風呂の女神のことは大聖女様も知らないらしい。
どうやら、そのお風呂の女神から尊い力を授かったなど、ローズマリー令嬢の妄想なのだと考えられる。
ここでも大聖女様は私と同じことを考えていた内容を、ローズマリー令嬢に伝えた。
「おフロディーテなどという女神の名など、聞いたことがありませんし、貴女の纏っている波動は神聖なものでないことは確かです。それは、邪気なのですよ……!」
「お風呂?アフロディーテって言ってるでしょ?!大ボスのくせにボケてんじゃないわよ!女神の尊い力をにケチをつける気?!」
「気は確かですか!神殿を破壊出来るなど、尊いものではなく禍々しいものです!……現に、貴女はその禁忌の力で、王太子殿下や高位貴族令息らを【魅了】したのでしょう……!」
すると、またしてもローズマリー令嬢は「はぁぁ?」と怪訝そうな表情を浮かべた。