秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

直後に王太子様率いる近衛兵団と、ランティスお兄様ら聖騎士団が駆け付ける。

神殿はボロボロ、大量の男たちが揃って地に倒れている光景に駆けつけた王太子様や騎士様みんな驚いていたらしい。

そして、ローズマリー令嬢は意識を失った状態のまま、聖騎士団に連行されていった。

聖騎士団管轄の邪気による禁忌を犯した者が入る特別な牢に入れられており、私より一足早い昨日、意識を取り戻したようだが……まだぼんやりとしており、口が聞けるような状態ではないよう。



……一方、神殿の襲撃された翌日。

王城では、陛下の緊急招致命令にて、トルコバス侯爵とローズマリー令嬢が、邪気契約による王太子様の【魅了】疑惑への追及の場が設けられる。

はずだったが……。



その前日に、令嬢が【邪気】による神殿への襲撃、大聖女様に手を掛けようとするという事件が起こる。

予め計画していた追及、糾弾の内容は別物となった。

令嬢が邪気契約をしたのか否かという追及は、令嬢本人が【邪気】を包み隠さず神殿を襲撃したことで、追及するまでもなく明るみとなってしまったからだ。
< 353 / 399 >

この作品をシェア

pagetop