秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
アルフォード様がキョトンと私を見上げる顔で、ハッと我に返る。
いやだ、これ。何の暴露大会だ。
アルフォード様が一方的に想いを語るので、何故かムキになって負けじと自分の想いも語ってしまった。
私の方が先ですよ!って、何に張り合ってるのだか。
思い余って告げた事は全て事実なので否定をする気は微塵もないが、意味のない張り合いに少しだけ恥ずかしくなってしまう。
アルフォード様の顔を見れない……わけのわからない醜態を晒した私に、それこそ驚いているだろう。
恐る恐ると反応を確認する。
だが……アルフォード様は、笑っていた。
「……そうか。そうだったんだ」
そう言って、花の都の貴公子らしく、ははっとお上品に笑う。
そして、また驚かせることを言ってくるのだ。
「でも、恐らく俺の方が先だと思う。君を好きになったのは。そして想いの強さも俺の方が大きい」
「え!それはどういう……」
「まあ、それをこれから時間をかけてゆっくり伝えていこうと思ってるから?」