秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
仕事もあって飯食って酒飲んで、取り敢えず毎日楽しいから。世界をどうにかしたいだなんて。
世界を壊す?いや、それは困る。ただ、楽しい日々を過ごしたいから。
足りないもの、強いて言えば……野球がしたいというぐらい。
野球をこの世界に普及させたいという野望ならあるな。
そっくりそのまま大聖女に伝えると、彼女は唖然と口を開けた後、「ふふっ」と笑う。
「ファビオ、やはり貴方なら大丈夫でしょう。邪気とは無縁のようですね?やはり、貴方の存在は精霊王様の思し召しです。……野球とは何か。それは後々お茶の時間で聞きたいものですね」
おっ。やった。野球の話、聞いてくれる?
良い茶飲み友達になれそうだよ。
「ファビオ。プリムラからの警告の意味を解明するために、今、現実に起こっていることを調査していきましょう」
ーーそうして、自分らは動き出した。
自分が起こした行動とは、まず。
あのローズマリーとかいうヒロイン令嬢と、その周辺の野郎どもの様子を観察する。
物語通りに進んでいるのか、何なのか。