秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

そして、プリムラ夫人が【時戻り】を使い過ぎた事によって邪悪に対抗する【秘匿されし聖女】が神託を受けていない。という件。

それは、彼女の【時戻り】の能力は、使うたびに術者本人の体と時を戻した世界との間に微妙なタイムラグが起こるらしい。

その弊害で、プリムラ夫人の体が若干若返ってしまった。生まれる時に生まれるべき聖女の誕生が若干遅れるというのだ。

つまり……あの売女の邪気に対抗する【秘匿されし聖女】は、恐らくプリムラ夫人の娘だ。

ちなみに、プリムラ夫人が登場した現象は?転生者の自分が神託の儀を受けたことによるイレギュラーの発生と、大聖女は判断した。



こうして、自分と大聖女……はたまた神官長をも巻き込んだ調査は次第に答えが出てくる。

だが、騒ぎが表に出始めたのもこの頃。巷では、王太子殿下が自身の婚約を破棄し、ローズマリーを妃にすると騒いでいるようだ。

学園では、ローズマリーを守るために、殿下や令息らの理不尽な断罪が始まっている。

彼らの言う通りに婚約破棄を重ねたり、断罪を鵜呑みにしていたら、貴族界はめちゃくちゃだ。

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