秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

この馬車、大量に砂糖積んでましたっけ?と、言いたくなるぐらい。

そんな二人を、何故かミモザが満足気に見守っていた。生温かい視線で。




砂糖大量輸送しながら、御一行は数日かけて自領へと辿り着く。

空けてた分の応対や書類に追われること数日の後……ラヴィが公爵領に戻ってきた理由、切望していた誕生日パーティーが行われた。



パーティーといっても、そこらの貴族令嬢が開催するような派手なものではない。

改装した四阿はたいそう立派だったが、参加者は俺ら身内や、ラヴィを慕う我が家の使用人らが集まるだけのささやかなパーティーだった。

大量の食事と酒が並ぶわけでもなく、巷で有名な菓子店の焼き菓子や、女性に大人気の菓子や軽食、紅茶がテーブルに並ぶ。

貴族の通例のパーティーというよりかは、お茶会の規模である。

どうせならもっと派手にやれよ!と、言いたいところだが……まあ、主役のラヴィが、美味しい菓子と親しくしている奴らと共に過ごして、大層喜んでいるようだから、こういうのも悪くはないかとは思う。
< 394 / 399 >

この作品をシェア

pagetop