私とあいつ 俺とお前
「その封筒も中身にはその内容が遺言書として書いてある。」

え、そんなこと初耳だよ。
お母さんがそんなことこいつのお母さんに頼んでたなんて。

「だから、美代が亡くなった後、真昼ちゃんを迎えに行ったんだけど、もういなくて。
ま、今日会えたからよかったわ。」

お母さん。

もう、お母さん私よりバカだよ~

「ていうことで今日から一緒に暮らしましょうね。」
「.....はい?」

涙がこぼれそうになっていたのに、一気に引っ込んだ。

「何言ってんだおふくろ。」

話に参戦せず、さっきまでずっと見ていたあいつもさすがに、言葉をもらす。

「だって、もともとは引き取るつもりだったし。第1、遺言書に書いてあるから従わなきゃ。ね?」

と、ウインクもつけて、言われた。

「いや、急にそれにこいつと暮らすなんて無理です!!」

と、お母さんに訴えるが、

「なんで無理なんだよ。」

えーーー。
口を挟むな!!話がややこしくなるでしょ。
ていうか、あなたは賛成なんですか?
さっきまで敵対していた2人が一緒に1つ屋根の下で暮らす?
いやいや、無理でしょ。絶対無理だから!

「え、真昼ちゃん。
どうしても無理かしら?」

ちょっと、またその顔やめてよ。
お母さん確信犯ですよね。
その顔されたら断れないのにーーー
いや、でもそれとこれとは違うはず!!

「でも、やっぱり遠慮し、、、」
「なに、逃げんの?」
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