私とあいつ 俺とお前
「んーーーー
終わった入学式。」
大きな背伸びをして、私は呟いた。
「よっ!!真昼」
そう言い、私の前に立ったのは、
「凛」
前川凛(まえかわりん)だ。
「入学式早々遅刻とか、さすが真昼だね。」
「それ、褒めてんの」
「ばっちし」
凛は中学の時に仲良くなり、今では親友。
高校も凛と一緒なんて嬉しすぎ。
それにこんな美女と友達だなんて、私は誇らしいよ。
「ま、これで安心するだろうねお母さん。」
「うん。そうだといいんだけどね。」
私のお母さんは私が小さい時に亡くなった。
死ぬ直前まで私のことを心配していたから、無事高校生活を送り出して、安心してくれてたらいいんだけどね。
そう思いながら首元に手を当てる。
「あれ?」
ない、え、、、、、
「ない!!!!」
「ど、どうしたの真昼。」
「ないない、ないの指輪が!」
「指輪?あ、いつもつけてるネックレス?」
うそ、なんでよ。
朝つけて来たはずなのに....
「あ!」
あの時だ。
朝ぶつかって落としたのかも。
「ごめん!先帰るね。」
「え、ちょっと真昼!」