何度だって。
おばさんと別れ、
俺は 今 光 の病室の前にいる
「ふぅ…」
深呼吸をし、ノックする
トントン
「はぁい!どうぞ~!」
「失礼します」
「あ、あなたは この前の…」
「この前はいきなり 入ってきて ごめんな 」
「い、いえ… なにか私に用が??」
「俺 君と同じクラスの 永瀬 陽斗 」
俺 は 光 の 同じクラスの人 を演じることにした
「あ、そーなんだ!! 同じクラスなのに
あんまり 記憶ないんだけど…」
「あ、あぁ。 君と俺 そんなに関わってなかったから
じゃないかな??」
「へぇ~。陽斗くん すっごいかっこいいから
絶対 関わってなくても 記憶あると思ったのに」
かっこいい…
この言葉は 光 に会ってから すごく 好きになった
俺 は 自分で言うけど 顔はいい方だ
その分 女もたくさん寄ってくる。
俺は顔しか見ない女なんて大嫌いだ。
告白してくるやつもみんな同じ
「かっこいいですね!! 付き合ってください!!」
「前から顔いいと思ってたんだ~!!」
「ほんと顔整ってるよねぇ!!」
そんなのばっかだ。
付き合っても 俺の中身なんか知っちゃいねぇ
どこが好き?
彼女にそう聞くと みんな
顔
と言ってくる。
だけど 光 は違った。
初めて出会ったのは 高校1年生 。
4月 。
俺は 高校に入学してから 女からの告白の
多さにうんざりしていた
もちろん目当ては顔 。
その日も放課後呼び出され
顔が好きだのなんだの言われ告白されて
断った。
教室にかばんを取りに戻って
教室を開けた時
光 がいたんだ。
しかも俺の机の上で寝ている
俺は滅多に 女の名前 なんか 覚えない
でもこいつは 周りの女とは 比べ物にならない
くらい 綺麗な顔 をしていた
そして 実は ひそかに気になっていた
そんなやつが今 俺の机 で寝ている
「起こさないとな…」
「おい、起きろ」
何度か揺さぶり 起きた
「ん~…?? 、、、 えっ!? 永瀬くん!?」
あたふたしてる 光 がおもしろくて
つい笑ってしまった。
「ふっ 笑」
その時 光 が
「永瀬くんって 笑えるんだね!」
そう言った
「俺だって笑う時は笑う」
「だってさ いつも女の子が寄ってくる時 怖い顔してるもん」
「俺 女嫌いだから。」