イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
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佐々木、というのは父の姓だ。
母は眞島という、少々面倒な家柄の生まれだった。普通の一般家庭育ちの父と駆け落ち同然に結婚したらしい。それを聞かされたのは、両親の葬儀が終わった翌日のことだ。
交通事故で、あまりにも突然の別れに悲しんでいる余裕もなくこの先自分がどうなるのか、途方にくれている最中だった。
『在学中は援助する。ただし、大学はこちらが決めさせてもらう』
だが、突然現れた母の兄とその妻からは、血縁の情のようなものは感じられなかったが、仕方ないとも思えた。
……そりゃ、会ったこともない甥など可愛くもないだろうしな。
生活の不安がなくなる上に大学まで出してくれるというのだから、感謝しないといけない。そこから先の生活は、自分でどうにかすればいい。
実際、高校生の俺に他にどうすることもできなかったし、特に行きたい大学があったわけでもない。叔父夫婦の指示に従って大学を出て、就職したら少しずつでも援助してもらった金額を返済すればいいと思っていた。
ところが、そう上手く事は運ばない。やはり自分は、世間知らずの子供だったなと今にして思う。
佐々木、というのは父の姓だ。
母は眞島という、少々面倒な家柄の生まれだった。普通の一般家庭育ちの父と駆け落ち同然に結婚したらしい。それを聞かされたのは、両親の葬儀が終わった翌日のことだ。
交通事故で、あまりにも突然の別れに悲しんでいる余裕もなくこの先自分がどうなるのか、途方にくれている最中だった。
『在学中は援助する。ただし、大学はこちらが決めさせてもらう』
だが、突然現れた母の兄とその妻からは、血縁の情のようなものは感じられなかったが、仕方ないとも思えた。
……そりゃ、会ったこともない甥など可愛くもないだろうしな。
生活の不安がなくなる上に大学まで出してくれるというのだから、感謝しないといけない。そこから先の生活は、自分でどうにかすればいい。
実際、高校生の俺に他にどうすることもできなかったし、特に行きたい大学があったわけでもない。叔父夫婦の指示に従って大学を出て、就職したら少しずつでも援助してもらった金額を返済すればいいと思っていた。
ところが、そう上手く事は運ばない。やはり自分は、世間知らずの子供だったなと今にして思う。