イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
身体が解かれたのは、空が白み始めた頃だった。
汗ばんだ肌を、彼のキスが滑る。
労わるような優しさに、胸が苦しくなるほどの愛おしさがあふれ出す。
こんな感情は初めてで、ああ、これが『愛してる』ってことなのかなと、夢見心地の頭で考えた。
「……歩実」
「ん……」
郁人の唇が、瞼に落ちて、頬に落ちて、耳に落ちる。
そこで囁かれた言葉に、目を見開いた。
「……してる」
気持ちを疑うわけじゃない。ただ、郁人がそんな言葉を伝えてくれるとは思わなかった。
不意打ちの愛の言葉に、鼻の奥がツンと熱くなりながら私も言葉で返そうとする。
「わ、私も」
けれど、唇をキスで塞がれ邪魔された。
「帰ってから聞く」
「郁人……」
そう言った彼の微笑みは、これまでで一等優しいものだった。
抱きしめられて、その温もりに急速に眠気に襲われる。続いた睡眠不足のせいもあっただろう。
次に目を覚ました時には、彼はもう居なかった。
汗ばんだ肌を、彼のキスが滑る。
労わるような優しさに、胸が苦しくなるほどの愛おしさがあふれ出す。
こんな感情は初めてで、ああ、これが『愛してる』ってことなのかなと、夢見心地の頭で考えた。
「……歩実」
「ん……」
郁人の唇が、瞼に落ちて、頬に落ちて、耳に落ちる。
そこで囁かれた言葉に、目を見開いた。
「……してる」
気持ちを疑うわけじゃない。ただ、郁人がそんな言葉を伝えてくれるとは思わなかった。
不意打ちの愛の言葉に、鼻の奥がツンと熱くなりながら私も言葉で返そうとする。
「わ、私も」
けれど、唇をキスで塞がれ邪魔された。
「帰ってから聞く」
「郁人……」
そう言った彼の微笑みは、これまでで一等優しいものだった。
抱きしめられて、その温もりに急速に眠気に襲われる。続いた睡眠不足のせいもあっただろう。
次に目を覚ました時には、彼はもう居なかった。