1ページの恋
助けたお礼
「危ない!!」
目の前で狼がひかれそうになった。
道路の真ん中で動かない狼を守ろうと思って
思い切りぶつかって助けた。
そこまでは良かったんだけど………
狼の代わりに車にひかれた私は
もう二度と足を使えなくなった。
何度も何度も動かない足を動かそうとするけど
ビクともしなかった。
車椅子なんて嫌だ、と意地を張っても
結局は頼らなくてはいけない。
ある日、車椅子で近所にある山の神社に行った。
「足が良くなりますように」とお参りをしてると
1匹の狼がそばに来て、人間へと姿を変えて、
「ごめんなさい。俺を守る代わりに
こんな風にさせてしまって。」と言った。
私は驚きのあまり、ポカンとしてまった。
驚いてる私のことなど考えずに
「俺、一生あなたを守ります。」と言い、
私の頬にキスをしてきた。
そして、元の姿に戻り去っていった。
こんな名前のない狼が自分の彼氏になることなど
この日は思いもしなかった。
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