1ページの恋
もう遅いよ。
ずっと嫌いだった。
私の事からかってくるし、彼氏が出来ない私に対して、いつも隣に女の子が居るからって馬鹿にしてくるし。
でも…
不意にみせる優しさが
無邪気な笑顔が
いつも、私の心を苦しめた。
「ずっと嫌いだった」なんて表だけで、本当はずっと好きだった。
だから、諦めるために無理やり彼氏を作ってみたけど、あいつはいつも通り、可愛い女の子と一緒にいた。
なんで、なんでなの。
少しは私のこと1人の女として見てよ。


そんなある時…
あいつは事故にあった。
しかも、私をかばって……
事故にあった直後、すぐにあいつの元に駆け寄って話し掛けた。その間に他の人が救急車を呼んでくれた。
「どうして、あたしなんかをかばったのよ!」
泣きながら言う私に「そんなの当たり前だろ。女の子が事故にあいそうになってるのに助けないわけないだろ。」と言った。
「おんな?私の事を女の子って……」女の子ってあいつに初めて言われて動揺していると「お…おまえ、は…おれの…大好きな女の子だ…」とそれだけ言って意識を失い、救急車に運ばれて行った。
私もすぐに病院に向かったが、もう二度と目覚めることは無かった。
今さら好きなんて言わないでよ……
どうして、死んじゃったの?
なんで、今まで私の事からかって、馬鹿にしてきたの?
ずっと辛かったのに……

後からあいつの友達に話を聞くと
ずっと前から私のことが好きで、私に彼氏ができないよう他の男子を近づけないようにしていたらしい。
その上、私に彼氏が出来た途端に女子との誘いを断って、私がいる前だけ、女の子と一緒にいたらしい。

いつ嫌いだった人が好きな人に変わって
いつ好きだった人が死んでしまうなんて
誰にも分からない。
だから、好きだよって後悔する前に言わなくちゃいけないんだ…

「大好きだよ」って。
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